ラーメンズ

時々、猛烈にその人になりたくてたまらなくなる人がいる。
才能がうらやましいとか、たんたんとした気持ちでいられるところがすごいとか、まあ理由はいろいろあるんだけど、好きという気持ちとすごく近いようでいて、なりたい、はまたちょっと違う。

ハチミツとクローバー』にて、野宮に対して真山が持っている憧れに近いものだとおもう。
「自分の理想形が目の前を歩いてる」
真山ほど、その理想に近づけていないけれど、私にも
「そうそう! 私はこういう人になりたかったんだよ」
と思ってしまう人がいる。

そして最近の私が一番「なりたい人」が、ラーメンズ小林賢太郎さんである。
声がいい。身のこなしもいい。表情もいい。
なによりその頭脳とセンスが素晴らしい。
あんな人になれたら、と思ってしまう。

私がラーメンズに興味を持ったのは、ごく最近のことだ。
知ってはいたけれど、知ろうとしてなかった。
しかし縁あって舞台のビデオを見たら、その魅力にやられてしまった。
コントというか芝居というか、星新一ショートショートに近い世界だと感じた。
以来、1週間に2本づつ、レンタルして見ている。
はじめは今までラーメンズを知らずに過ごしてきた期間がもったいなく、悔しい気持ちにもなったが、今はもう見ていないビデオの方が少なくなってきて、少し寂しい。
けど喜び勇んで借りにいってしまう。
というかもうDVD-BOX買うことにします。

ラーメンズ The Box Set of Four Titles Rahmens [DVD] ラーメンズ DVD-BOX

という訳で、仕事帰りに買いに走ったけれど、昨年12月に出たほうは売り切れ!
なので、その前に出たBOXを購入しました。
「椿」「鯨」「零の箱式」「雀」が入っているもの。嬉しい。
ついでにWilcoの買ってなかったアルバム「a ghost is born 」も購入。

 ゆっくりさよならをとなえる/川上弘美

ゆっくりさよならをとなえる

最近本屋に行って大量衝動買いをした中の一冊。
本屋の後に合流した友人に、仕入れた本達を見せたところ、
「それエッセイだよ」
と言われて驚き、ちょっと手を付けるのが遅れていた。

私は基本的に、小説家のエッセイというものは殆ど読まない。それは好きな作家であるほどに避けて通ることが多い。
理由はいろいろあるけれど、作品の世界に作者の印象を持ち込みたくないからだと思う。

しかし、それでこの「ゆっくりさよならをとなえる」がどうだったかというと、やっぱり良かった。とても楽しめた。その証拠かどうか、一日で読了してしまった。
この本はいろんな所に寄稿した文章を集めたものらしいけれど、基本的な底に通じるものがあって、それはあとがきにもあるように、読書のことと川上さん自身のペースみたいなものだった。
そのペース(リズム)はそのまま川上弘美さんの小説に繋がるものがあり、心地よく読み進めることができた。
また読書の話がたくさんでてきたことで、読んでみたい本も増えた。また自分が好きな本を好きな作家が読んでいると知ることで嬉しく感じたものもあった。
エッセイも食わず嫌いは行けないなと思う。

この本に出てきた作品で、特に読みたいと思ったものを少しメモしておく。

「壇流クッキング」(私もオクラの夏を送りたい)
「柔らかい月」(よく本屋で手に取っていたが、映画「柔らかい殻」の原作と勘違いしていた)
「田紳有楽」(興味をそそられた)
「気になる部分」(岸本佐知子さんの翻訳は好きなのに、エッセイがでていることは知らなかった)
「ぬっとあったものと、ぬっとあるもの」(題名に惹かれた)

 WILCO / a ghost is born

A Ghost Is Born
発売は確か昨年の夏くらいだったと思うけれど、買い逃していた一枚。
実はまあ、ただお金がなかっただけですが。
今日は久しぶりに古巣であるレコード屋に顔を出し、ラーメンズのDVDと共にこのアルバムを購入しました。
前作「Yankee Hotel Foxtrot」でも参加していたジム・オルークが今回はプロデューサーとのこと。

久しぶりのアルバムだったが、音色の心地よさは変わらず、メランコリックで暖かみのあるジェフの歌声も素晴らしい。
私には前作よりもロックンロールにシフトし、オルーク色がしっくりきている感じがしました。
スパンは決して早くないけれど、アルバムを出す度に、信頼できるバンドだなあと実感します。
11曲目のような曲はベッドに潜り込んでヘッドフォンで聴きたい。
ライブが見たいです。